溶体化処理とも呼ばれます。
適温に加熱・ 保持し、材料の合金成分を固体の中に溶かし込み (固溶させる) 、析出物を出さないように急冷する処理です。
オーステナイト系ステンレスに対して行われる事が多いのですが、目的は加工・ 溶接などによって生じた内部応力の除去、
劣化した耐食性の向上など組織改善の為に行います。
また、 析出硬化系ステンレスの折出硬化処理の前処理としても行われます。 【概要】
合金元素が固溶する温度以上に十分に鋼を加熱して炭化物や金属間化合物などの析出物を固溶させた後、急冷して過飽和固溶体を得る熱処理方法のことをいいます。
SUS304 鋼などのオーステナイト系ステンレス鋼が、この熱処理の適用される代表的鋼種系です。
【目的】
オーステナイト系ステンレス鋼など、均一 な固溶体にすることによって安定した組織とし、延性、じん性、耐食性、耐熱性を向上させることを目的とします。
同時に再結晶も伴うため、軟化や内部応力の除去も行われます。
【熱処理方法】
オーステナイト系のステンレス鋼や耐熱鋼では通常1000度 以上の高温度に加熱し、炭化物などを固溶させた後、水中または油中に急冷します。
通常は室温までできるだけ速く冷却するのが望ましいのですが、とくに900〜500度は炭化物の析出を防止するために速く冷却する必要があります。
加熱時間は肉厚25mmあたり1 時間くらいが一般的な時間です。
熱処理炉(仕様)
炉内寸法 1800W*1800L*1400H
炉内有効寸法 1400W*1400L*800H
(間口寸法) 1800W*1800L*1260H
処理物 ステンレス鋳物
処理量 500〜1000Kg/CH
処理温度 600〜1100℃
温度公差 ±15℃(保持終了時記録計表示にて)
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